石屋薪能ギャラリー

『かがり火ライブ -深谷薪能の夕べ-』の様子を一部公開いたします。

2008 平成20年 経政

あらすじ

京都・仁和寺御室御所に仕える行慶(ぎょうけい)僧都は、法親王の命により、一の谷の合戦で討ち死にした平経政(経正)(たいらのつねまさ)を弔うこととなりました。そこで琵琶の名手として知られた経政が愛用した青山(せいざん)という銘の琵琶を仏前に据え、管弦講※を執り行います。
経政の成仏を祈る音楽が響き、夜半を過ぎた頃、燈火(ともしび)のなかに人影がほのかに見えてきました。不思議に思った行慶がどういう方が現れたのかと問うと、その人影は、「経政の幽霊である、お弔いの有難さに現れたのだ」と告げるのでした。
行慶が声の方へ向くと、人影は陽炎のように消えて声ばかり残ります。なお行慶が消え残る声と言葉を交わすと、亡霊は、花鳥風月を愛で、詩歌管弦に親しんだ在りし日を懐かしみます。そして青山の琵琶を奏で、舞うなどして往時の様子をあらわにし、夜遊の時を楽しむのでした。しかしそれも束の間。修羅道に堕ちた身には、憤りの心が起こります。経政はあさましい戦いに苦しむ姿を見せ、その身を恥ずかしく思って人に見られまいと燈火を消し、暗闇に紛れて消え失せていきました。

(「the能.com|演目事典:経政/経正:あらすじ」より)

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石川県金沢市の深谷温泉 元湯石屋は、国内でも珍しい能舞台のある宿です。能を敷居の高いものとお考えの方、まだ能を親しんだことがない方が、このウェブサイトを見て興味を持っていただけたら幸いです。

深谷温泉元湯石屋

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